子宮筋腫

子宮平滑筋に発生する良性腫瘍。産婦人科医療の中でも最もポピュラーな疾患です。35歳以上の15%~70%に存在すると言われています。成人女性の子宮は鶏卵大(約50g)ですが筋腫ができるとガチョウ卵大から成人頭大まで大きくなることもあります。

原因

不明ですが、平滑筋へのエストロゲン刺激が作用することは明らかです。

分類

大部分(95%)は子宮体部より発生。他は子宮頸部(45%)や子宮膣部にも稀に発生します。硬い筋腫結節(筋腫核)を形成。

症状

過多月経/不正性器出血/月経痛/貧血/下腹部腫瘤感(しこり)/圧迫症状/不妊

診断

内診/超音波断層撮影(経腹)/MRI/子宮鏡検査

治療

筋腫があるだけでは治療対象になりませんが、経過観察と予防的対処(漢方、食事、生活指導)は必要です。

薬物療法

GnRHアゴニスト注射

卵巣からのエストロゲンの分泌を抑制することで治療効果が得られます。治療中に骨量の減少があるため、6か月以上の投与はできません。従って休薬後再開します。

MYFEMBREE(マイフェンブリー)

閉経前の筋腫に伴う過多月経の治療に用います。

 手術療法※

筋腫核出術

挙児希望のある場合(保存的)腹式/腹腔鏡下/子宮鏡下のアプローチがあります。20~30%の再発が認められます。

子宮全摘術

挙児希望のない場合(根治的)腹式/膣式/腹腔鏡下

手術回避の方法

  1. マイクロ波子宮内膜アブレーション(MEA);過多月経を改善(保険)
  2. 子宮動脈塞栓術(UAE)※  自費のうえ治療適応に制限があり難しいです。
  3. 集束超音波療法(FUS)※

2次性変化

壊死/硝子化-液化-嚢胞化/石灰化/脂肪変性

※当院では入院施設がなく、手術や手術に準ずる治療は行っておりません。

PAGE TOP