不妊症・不育症

不妊治療

近年、結婚年齢の上昇や、男女ともハードな仕事をかかえた生活、様々な環境問題などにより、不妊で悩むカップルや、知らない間にお子さまが出来にくい身体になってしまっている方が、特に増えています。
では、不妊治療とはいつから始め、また具体的には何をするのでしょう。


不妊症とは

一般的に、結婚して避妊をせずに2年経ってもお子さまに恵まれない場合、不妊症と診断されますが、最近では結婚後1~2年間は二人の生活をエンジョイしたいとか、仕事が忙しいためお子さまを考えるのを先延ばしにしているという方もみられるので、この定義はあまり当てはまらなくなっています。

しかし問題なのは、この先延ばしにしている間にお子さまが出来にくい体質になってしまっていることが多いことです。いざ、お子さまが欲しいと思った時には、本格的な不妊症になっていて、治療にも非常に長い年月がかかるという結果になってしまうわけです。

不妊症になってしまう原因は、男女半々と言われています。(男性側40%、女性側40%、不明20%)

人により原因は様々なので、一つ一つ検査をしてみないと解りません。

ただ一つだけ言えることは、より早くから治療を始めた方が良い結果が出やすいということです。

つまり、結婚後すぐではないが何年か先にはお子さまをお考えの場合は、あらかじめ身体のチェックをして、自然な妊娠が出来るような身体の状態へとバランスを整えて、いつでもお子さまを望める体質にしておくことがまずは重要なのです。

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当クリニックの不妊治療

不妊治療では患者様のプライベートな部分に関わるので、特に精神的なフォローと医師との信頼関係が最重要だと考えています。

初診で行うオリエンテーションや、各検査についての説明などは充分に時間を取って、
患者様の納得のいくまでお話しさせていただいています。

また、普段の診察でもカウンセリング的な内容を充実させています。

特に免疫性不妊症の検査・治療には力を入れています。


精子や卵子に対する抗体が潜んでいると妊娠が拒絶されたり、
時期を選ばずに何度でも流産を繰り返すことになります。

当クリニックでは、難治とされる多精子受精抗精子抗体陽性の方でも、治療により、
無事出産されたケースがあります。

オリエンテーション

まず初診ではオリエンテーションを行い、ライフスタイルや、生理などの状態、今までに婦人科系の病気にかかったことがあるか、不妊治療の経験があるかなどについてお聞きします。出来ればご夫婦一緒に参加されることをお勧めします。

基本的な検査

オリエンテーションに引き続き、子宮の状態を調べる基本的な検査をします。(内診、超音波検査、血液検査など)この段階で早くも問題が見つかる方が非常に多いのです。(月経不順、子宮内膜症、子宮筋腫等)排卵の状態を見る場合は、毎月排卵日近くに来院していただきます。→タイミング指導

性感染症の検査

次に、最近蔓延しているクラミジアを中心に、数種類の性感染症の検査をします。(内診、血液検査等)例えばクラミジアは、はっきりとした症状が出ないのが特徴ですが、放っておくと卵管炎などになり、卵管が癒着して細くなってしまったところに妊娠すると、子宮外妊娠となったり、また完全に癒着していると不妊症になってしまうのです。

クラミジアは薬をご夫婦一緒に2週間服用することで治りますが、その他の性感染症のチェックや、卵管が癒着して詰まっていないかどうかを調べる「通気」や当クリニック・オリジナルの「通水」まで一連の検査・治療をする必要があります。

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本格的な検査

内診や超音波検査等と違い、外見では解らないホルモンの状態や、免疫等を調べる血液検査などを行います。

「血液一般検査」、「免疫」、「副腎皮質」、「甲状腺」、「精液」、「HLA検査」等があります。

検査結果により、漢方を中心にお薬を処方します。薬の効き具合等を診ていくために、毎月排卵日近く等に来院していただきます。 →タイミング指導

人工受精

自然な妊娠では妊娠の可能性が厳しい方には、各種人工授精を行っています。

※健康保険証をご持参下さい。基礎体温表をおつけになっていらっしゃる方はご持参下さい。
 保険適用外の自費の検査をする場合がありますので、ご了承ください。


院長より一言

不妊治療にはいかなる方法をとっても、思ったより長い時間がかかる場合があります。

まずはお話だけでもしにいらしてみて下さい。そして、できれば早めのチェックをお勧めします。

「私は子供ができない身体なの…?」

一般に2年間避妊せずに夫婦生活を送ったのに妊娠しない状態を不妊症といいます。
不妊で悩む人は意外に多く、だいたい10組に1組の夫婦がこれにあてはまります。


しかし、そんなに悲観することはありません。不妊症の治療は日進月歩で、昔ならとうてい妊娠が望めなかった夫婦にも、現在では妊娠が期待できるようになってきているのです。

医師を信じ、あせらず夫婦で協力し合って検査や治療を受けることが何よりも大切です。

不妊症

…ことばでいうのは簡単ですが、その原因は非常に複雑で多岐にわたっています。
妊娠に至るまでには数多くのハードルがあり、これらのどの段階が障害を受けても不妊症になるからです。


そして忘れてはならないことは、不妊の原因の半分は女性側に、もう半分は男性側にあるということです。
これまで不妊の原因はとかく女性だけに押しつけられてきましたが、不妊の世界も男女平等ということをしっかり認識して、不妊症の治療を受けましょう。


妊娠のプロセス

(監修:東京電力病院 産婦人科部長 (社)日本産婦人科医会常務理事 田辺 清男)

不育症

妊娠するが流産や子宮内胎児死亡を反復し、生児を得られないものをいいます。

特に流産を反復する習慣性流産は長い間有効な治療法がなく、いわゆる難病でありました。

妊娠したにもかかわらず、元気な赤ちゃんを抱くことができない苦痛は妊娠しない苦痛と同じぐらいつらいものです。

習慣性流産

連続して3回以上流産を繰り返すこと!

反復性流産率は約10%程度で、その殆どが胎児の染色体異常などの胎児側要因によるものであり、偶発的なもので自然淘汰の意味合いもあるのかもしれません。


しかし、既往流産回数が3回を超えると、次回妊娠率は明らかに減少し、何らかの流産因子を有するハイリスク妊娠と考えられます。


原因

(1) 細胞遺伝学的異常; 夫婦の染色体異常
治療 → 反復妊娠で生児を授かるしかないが正常児を授かる確率は1/6程度


(2) 解剖学的異常; 子宮奇形 etc.
治療 → 手術(開腹~腹腔鏡)


(3) 内分泌学的異常; 甲状腺機能低下症・高プロラクチン血症・黄体機能不全
治療 → 薬物治療(甲状腺ホルモン、ドーパミン作動薬、クロミフェン)


(4) 代謝異常; 糖尿病
治療 → 薬物治療(糖尿病治療薬)


(5) 感染症; クラミジア・マイコプラズマ・ウレアプラズマ・嫌気性菌
治療 → 抗生物質(ペアで治療するのが大原則)


(6) 自己免疫疾患; 抗リン脂質抗体症候群・SLE・RA・抗核抗体陽性・皮膚筋炎
治療 → プレドニゾロン・アスピリン(小児用バファリン)、ヘパリン、紫苓湯


(7) 同種免疫異常; イムノトロピズム不全(妊娠維持の破綻)・母体免疫異常
治療 → 白血球輸血法・夫リンパ球皮内免疫療法


(8) 本態性血小板増加症; 胎盤内の微小血管の血栓形成
治療 → (6)に準ずる


(9)原因不明; 初期>中期
治療 → 夫リンパ球皮内免疫療法 成功率 75%~85%


*それぞれの検査・治療の詳細については院長より説明があります。
ご不明な点がございましたら、何度でもご質問ください。
なお、大部分の不育症関連の諸検査は保険適用外になっておりますので、ご了承ください。

ED:性機能障害(勃起障害)

【性交に有効な勃起ができないか維持できない状態】

心因性:精神・心理的原因 低男性ホルモン性:男性更年期・性欲低下・動脈硬化・神経障害
治療方針:どのレベルまでがご希望なのか、目標設定がポイント


A バイアグラ有効例

①心血管系の障害のない60歳以下の場合: バイアグラ錠50mg1錠 性行為の1時間前に服用
②肝機能障害のある 60歳以上の男性の場合: バイアグラ錠25mg1錠 性行為の1時間前に服用
  ケースによっては50mgへ増量


B バイアグラ無効例

①男性更年期の男性ホルモン補充療法
  男性ホルモン 1回1アンプル筋注(2週間ごと)
  定期的に肝機能と前立腺特異抗原(PSA)等を検査し、前立腺がんに注意

②血中テストステロンが正常な性欲低下剤
  男性ホルモン 1回1アンプル筋注(2週間ごと)
  心理面も含め性欲アップのきっかけにする

C バイアグラ無効器質性ED

陰圧式勃起補助具が第一選択

その他の治療

①漢方薬:八味地黄丸、柴胡加竜骨牡蛎湯、桂枝加竜骨牡蛎湯、補中益気湯

②ホルモン剤:男性ホルモン

③ビタミン/ミネラル:亜鉛(Zn)、ビタミンC、ビタミンE

④サプリメント:イチョウ、ピジウム

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