性感染症(STD)って何?
ちょっと気になるけど、人に相談しにくいし、彼にも嫌われたくない。
「性感染症」なんて、言葉からしてちょっと大げさだし、できればかかわりたくない。
でも、少し勇気を出してみましょう。
一口に性感染症といってもいろいろな種類があり、原因や症状などは様々です。
カンジダ症
「カンジダ症」は常在菌といってもともとすべての女性の膣の中に住みついているカビの一種で、性行為による感染よりも、その方自身の生活習慣などでなってしまうことの方が多く、例えば冬場などにストッキングやガードルなどをたくさん履くため蒸れてしまったり、梅雨時などジメジメ蒸し暑い時や、人によっては抗生剤を飲むことでなってしまうという方もいます。パートナーがそういう方の場合は、性行為で移ってしまう訳です。カンジダ症は膣錠や塗り薬などで1週間程で治りますが、再発し易いものです。パートナーの治療も再発防止に必要です。
クラミジア
「クラミジア」は性行為によって感染する微生物ですが、目や口からも感染します。
はっきりとした症状が出ないのが特徴ですが、放っておくと結膜炎や咽頭炎、子宮内膜炎、骨盤腹膜炎、卵管炎などに進行してしまう場合があります。
特に卵管炎になって、卵管が癒着して細くなったところに妊娠すると、子宮外妊娠となってしまったり、また完全に癒着していると、妊娠も難しくなり不妊症になってしまうこともあります。
クラミジアは薬を(できればパートナーと一緒に)約2週間服用することで治りますが、癒着してしまった卵管などは、また別の治療をしないと治りません。
最近1~3日で治る薬がありますが性器以外の感染では完治率が充分ではありません。
クラミジア
当クリニックでは、「女性の身体を長い目で見た総合的なケアー」をモットーにしていますので、クラミジアだけ治せばいい、といった治療はしていません。
その方が将来安心して妊娠できるよう、その他の性感染症のチェックから始まり、卵管が癒着して詰まっていないかどうかを調べる「通気」や当クリニック・オリジナルの「通水」まで一通りの検査・治療を、詳しく説明した上で必ずおすすめしています。同時に今後の性生活のアドバイスや、将来妊娠を希望される場合のアドバイスや治療なども、積極的に行っております。
実際、おりものがいつもと違うと言って来院され、クラミジアを治療したがその後どうも妊娠しにくいということで、本格的な不妊治療に進まれる方なども多いのです。 カンジダ症やクラミジアの他にも性感染症と呼ばれるものは数々あります。これらの治療には深い知識と、適切な処置やアドバイスが必要です。 素人判断ではなく、信頼できる医師のもとでの治療をおすすめします。
クラミジアのセルフチェック
STDの中で最も多いのがクラミジアですが、殆んど自覚症状に乏しいため発見が遅れがちです。
①クラミジアのセルフチェックをしてみましょう
②統計
STDの意味するところは
#1 AIDS、肝硬変~肝がん、子宮頸がん、皮膚がん、舌がん、咽頭がん、喉頭がん、食道がん、肺がん等の生命にかかわる病気の原因をも含む
#2 不妊症や子宮外妊娠、流産といったスムースな妊娠や挙児へのおおきな障害となる
#3 パートナーと家族への感染の危険がある
#4 経膣分娩における出産時の母子感染の危険を伴う
世界中には約4,000万人のHIV感染者がいるといわれ、‘08年度には不幸にも約200万人の方がAIDSで命を落とされたと報告されています。 この様な状況の中、わが国だけが唯一HIV・AIDSが減少してない国なのです。 かつて、AIDSが海外の同性愛者に限られていた時代は過ぎました。 今やわが国でもHIV感染妊婦の総数は平成20年度現在595人という報告もあるほど家庭内や身近なところに入り込む深刻な状況にあります。
この状況は広汎な性活動、性行為の中でコンドームの使用率が15%以下という無防備な接触や口がSTDの感染経路にはならないといった誤った認識が招いた結果にほかなりません。 現在STDのなかでクラミジア感染症が陽性の場合、感染者がその危険を認識し行動を変えていかなければ、次にはHIVを感染する危険度は通常の2~5倍、既にHSV(性器ヘルペス)や尖圭コンジローマがあると50~300倍のリスクになると警告されています。
啓蒙というものはより具体的に指導してこそ、その効果を最大限に発揮できるものであって、強直した禁足令のようなものであったり、念仏の如くキャッチフレーズを唱えても実際に役立つものではありません。 表現がどぎついとか行き過ぎていると言ったところで、危険なSTDの被害から身をまもることは出来ないのです。
もうひとつ大切なことは“元彼の元彼女の・・・・”というCMが伝えている様に、連続した時間の流れの中で、STDの危険を捉えて欲しいと思います。 即ち、初めての性体験を持ったときから現在までの性的接触のすべてが感染のリスクを持つという事であって、最近そのような接触がないから感染の心配がないという事ではないのです。 当然この様な感染のリスクはどんな人にもあり特殊な領域の特殊な人に限った事ではないという点です。
ちゃんと自覚しよう!
たった一度の経験でも・・・
ひとりひとりが、STD感染のリスクを自覚することが大切です。
このなかで、ある人がSTDにかかっていたとしたら、あなたとあなたのパートナーも絶対に安全とはいえません。 一般の大学・専門学校生女子で性経験のある人の9.3%、およそ10人に1人が感染していると推定されていますので、きちんとした予防が大切です。
(出典:エイズ/性感染症をめぐる問題点 熊本悦明)
避妊外来(受胎調節と避妊法)
各避妊法の有効性の比較
各種受胎調節法の1年間使用による妊娠率(%)<パール指数>
*理論的妊娠率とは、正しく使用された場合の妊娠率、臨床的妊娠率とは、飲み忘れ、装着の不備など使用法が不十分である可能性も考慮した場合の妊娠率である。
A ホルモンを用いる方法
1、低用量経口避妊薬(低用量ピル)
効果 | 有効性きわめて高い |
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種類 | ①一定量を継続服用(1相性)タイプ ②月経周期に沿ったきめ細かい配合量(3相性タイプ) |
禁忌 | 服用してはいけない人 乳ガン/子宮体がん/子宮筋腫、およびその疑いがある人 原因不明の性器出血のある人 血栓性静脈炎/肺塞栓症/脳血管障害/冠動脈疾患にかかっている人、 または これらの病気にかかった事がある人 35歳以上で1日15本以上の喫煙者 4週間以内に手術を予定している人/手術後2週間以内の人 産後4週間以内の人、及び、長期臥床の人 肝疾患障害のある人 脂質代謝異常のある人 高血圧症の人 耳硬化症の人 妊娠の可能性のある人 授乳中の人 思春期前の女性 |
B 子宮内避妊具(IUD)
効果 | 有効性高い |
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種類 | 金属付加タイプは強力に避妊するが国内未承認 |
C バリア法(STD予防に対し唯一の方法)
効果 | 高くない |
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種類 | 男性用コンドーム・女性用コンドーム・ペッサリー |
D その他
効果 | 低い |
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種類 | リズム法(荻野式)/膣外射精法/殺精子法 |
E 性交後避妊(緊急避妊:モーニングアフターピル)
性交後に妊娠成立を避ける方法合剤ピルを性交後72時間以内(3日)とその12時間後の2回服用する方法(Yuzpe法)。 レイプやコンドームが破損したりしたあとの対処としてやむをえず用いられます。成功率は高いが子宮外妊娠の可能性がふえると言われています。
